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2020.07.22
麻酔後の炎症
むし歯の治療を含め歯科治療では、「浸潤麻酔」と呼ばれる歯科麻酔を使用します。歯科麻酔で使用する注射針は30~33Gというサイズの細い物を使用します。
予防接種や採血の経験がある方は、記憶にあるかと思いますが、程度はそれぞれですが注射針を刺入した部位が一時的に赤くなったり、少し腫れたりすることがあります。
歯科麻酔でも同じです。注射針を刺入した部位は一時的に組織が炎症を起こすため、歯ブラシの際に違和感があったり、炎症が強く出た場合には口内炎のように白くなったりすることがあります。
歯科麻酔では広範囲に麻酔を効かせるために、1か所だけでなく数か所に分けて麻酔をすることがあります。そのためやや広範囲に炎症による違和感が出ることもあります。
ただし、麻酔後の炎症も予防接種等の発赤と同様に、2~3日から1週間程度で症状は落ち着いてきます。
歯周病の進行状態、タバコなどの炎症を増幅させる因子がある場合には、やや症状が強く出たり、長引くこともあります。
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2020.07.13
前歯のかぶせ物治療
前歯はお顔・口元を決める大切な部分です。前歯は色・形などが少しでも変わると人に与える印象も大きく変わります。
たとえば、歯が一本だけ色が変わっていったとしたら、大きさが変わってしまったら。
歯とかぶせ物では構成されている物質が異なるため、経時的な変化が異なります。歯の着色は、着色落としや、ホワイトニングなどできれいにすることができます。しかし、かぶせ物にしみ込んだ色は落とすことができません。
そのため、長く色をきれいに保つためには変色の少ない性質が求められます。
また既にかぶせ物(差し歯)が入っている場合には、かぶせ物の土台として金属の材料やファイバー製の白い土台が入っています。
金属材料が入っている場合には、透明感の強い材料を使用した場合に金属色が透けて歯が暗く見えることがあります。
そのため、かぶせ物の材料には遮光性の強いものを選択することが理想的です。
見た目とは関係ありませんが、今後矯正治療を考えられている場合には、セラミックのかぶせ物が入っていると、接着剤が付きにくかったりすることがあるため矯正期間中はセラミックができない場合があります。
それぞれで特徴がありますので分からないことがありましたらお尋ねください!(^^)!
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2020.07.09
定期健診の間隔
むし歯予防、歯周病予防には定期的な検診・クリーニングが必要になります。個々人で歯並びやむし歯のなりやすさは異なります。
なので、定期健診の内容も期間も本来は個人で異なって当然です。
むし歯になりやすい人、歯周病が進行している人はもちろん、これらをしっかり予防したい方は最初月に1回程度で口腔ケアを行い、安定してきたら少しずつ期間をあけていくようにすることをおすすめします。
小さなお子様の場合は、まだ自分自身でしっかりとケアをしていくことが難しいこと、むし歯の治療をした個所はそうでない所に比較してむし歯になりやすいことを踏まえると、しっかりとケアができるようになるまでは間隔を詰めて管理していくことが必要です。
とくに4月、5月は外出することが少なかった方が多かったみたいで、家庭での間食習慣等が不規則になっている方を多く見かけました。
一度むし歯になりかけたりした場合には最初の予防行動が非常に大事になります。
最後の定期健診から期間が開いている方は早めの受診をおすすめします。
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2020.07.06
乳歯の大事な役割
乳歯がむし歯でも生えかわるからそのままでも・・・ではいけません。
乳歯は大人の歯(永久歯)に生えかわりますが、乳歯には乳歯にしかない大切な役割があります。
乳歯はおよそ生後6か月ごろから生え始め、3歳までに子どもの歯並びは完成します。この乳歯に求められる大きな役割の一つは、永久歯同様「噛む」こと。つまり食事をとるということです。
この時期のかみ合わせは非常に重要で、食事等を介し顔面の筋肉を正しく機能させることで顎顔面領域の正しい成長発育へと導きます。
顎顔面領域の成長発育が不十分だと、のちに生えてくる永久歯の歯並びにも影響を与えます。
また乳歯の生えている位置も非常に重要で、生えかわってくる永久歯の道しるべの役割を持っており、歯並びが窮屈だったりすると後から生えかわってくる永久歯の歯並びが乱れやすくなります。
また早期に乳歯を失ってしまうと、永久歯が生えてくるときにどの方向に進めばいいのか分からなくなってしまいます。
つまり乳歯をしっかり管理することで、健康な永久歯の歯並び・かみ合わせの獲得につながるのです。
一生のうちで乳歯のある期間は短いですが、非常に重要な役割があるため日ごろのケアが大切ですね。
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2020.07.04
保険適応の非金属冠
今までは、保険内のかぶせ物と言ったら金属のもの、というイメージを持たれている方がほとんどだと思います。
実は数年前から保険適応の金属を使わないかぶせ物があることをご存じですか?ハイブリッド冠という分類になり、材質としてはレジンと呼ばれる合成樹脂とセラミックとの合成物質になります。
適応は小臼歯と呼ばれる前から4番目、5番目の歯、第一大臼歯と呼ばれる小臼歯のもう一つ奥の歯が適応になります。
治療にあたっては、かみ合わせや、歯の本数、他の治療との兼ね合いがあり、ケースによっては対象とならないことがあります。
色が気になる方、金属アレルギーでお悩みの方は一度ご相談ください。
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2020.07.01
歯科材料の強度
むし歯治療などで用いられる歯科材料には使える歯、部位などが決められています。各種材料で性質が異なります。
むし歯治療などでよく用いられる白い材料は、コンポジットレジン、通称CRと呼ばれています。色が白いので治療後目立ちにくいのが特徴です。材料の強度の点ではうすくなると割れやすい、時間経過とともに削れてくるという特徴があります。また時間経過とともに変色する可能性があります。
型採りが必要な場合によく用いられるのが、金属材料やセラミック材料です。
金属材料の特徴は強度で優れるという点です。なので余程のことがない限り破損することはありません。但し、硬さの点では歯に劣るため、時間経過とともに少しずつ削れてきたり、金属が伸びてきたりします。
セラミック材料は用いられるもので特徴が大きく異なります。
近年保険診療でも認められるようになったハイブリッドセラミックは、レジンと呼ばれる合成樹脂とセラミックと合成いわゆるハイブリッドです。金属を使用していないため、金属アレルギーの方にはお勧めの材料です。ただ、純粋なセラミック材料に比較すると、強度、変色といった点では劣るのが欠点です。
最近よく使用されているのがジルコニアと呼ばれる材料です。これは人工ダイヤとも呼ばれ、歯科材料の中では一番固いものになります。変色も少なくとても安定性の高い材料です。
せっかく入れた歯。壊れないに越したことはありませんが強い材料だけが一番優れているのでしょうか?
歯科で用いられる材料は、どの材料も硬さや曲げなどの強度の試験を経て認められたものだけが使用されています。
かぶせ物が壊れるということは、予測以上の力がかかっているということになります。一つは、使用部位の適正、もう一つは噛み癖など。
もし歯ぎしりや食いしばりなどの噛み癖があって、かぶせ物が壊れなかったら、場合によっては歯自体が折れてしまったりということにつながります。つまりかぶせ物が安全装置として働いているとも言えます。
それぞれの特徴をみてかぶせ物を決めることが非常に重要ですね。分からないことがありましたらご相談ください。
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2020.06.30
歯を抜いたままにしておくと(+_+)
むし歯や歯周病、もしくは事故などで歯を失ったとき。抜けたままにしておくと様々な弊害が出てきます。
乳歯の場合、生えかわりよりも早く歯を失ってしまうと、次に生えてくる大人の歯が生えるための場所が失われてしまいます。なぜなら歯がないところの前後の歯が倒れこみ、隙間がなくなるからです。
そのため、早期に歯を失ってしまった場合には、歯が傾かないようにするための装置を入れることがあります。ただし、このような場合、歯並びが乱れる可能性が高いため、後々矯正治療が必要になることも多くあります。
大人の場合も、子どもと同じように、前後の歯が倒れこんだり、歯が伸びてきたりします。そうなると、かみ合わせが全体的に歪んできて顎や周囲の筋肉に負担がかかるようになり、痛みを伴う場合があります。これが顎関節症です。
歯並びやかみ合わせが大きく乱れてしまうと、歯を失った場所に歯を入れたくても入れることができなかったり、その後の治療が困難になります。
まずは、歯を失わないようにすること、万が一にも歯を失った場合には、早めの治療が必要になります。
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2020.06.23
最近の検診の傾向
新型コロナ感染症がやや落ち着き、少しずつ日常が戻りつつあるかと思います。
外出自粛期間を経て、久しぶりに検診で来院される方も多く、お変わりなく元気な姿を見せて頂き嬉しく感じています。
その一方で、外出自粛期間においていつもと異なる家での生活のためか、検診にてむし歯があるお子様がややいつもより多く感じます。
原因は様々ですが、外出自粛期間中に家庭での食習慣特に間食習慣が多くなったり、生活リズムの変化などがあげられます。
むし歯は初期の状態ではあまり症状は見られません。ある程度進行した後に痛み・しみが出てきます。
特にもともとむし歯リスクの高い方は注意が必要です。
定期受診と適切なケアを行い、むし歯0を目指しましょう!
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2020.06.01
歯茎は大丈夫ですか?
「歯茎が下がっている人、40代で8割以上!」
加齢や歯みがきの手法など様々なことが原因で歯茎は下がります。30代から発現者は増加し、40代で80~90%、50代以上のほとんどの方で歯茎は下がっているという報告があります。
歯茎が下がったときの自覚症状として、歯がしみる、物が詰まるなどがあります。歯茎は一度下がると元に戻すのは大変困難なため、気づいた時からケアをしていくことが大切です。
「露出した歯の表面が危険です!」
歯茎が下がると、それまで歯茎に覆われていた歯の根元が露出してきます。この露出した部分は象牙質と呼ばれ、むし歯への抵抗性が弱いという性質があります。つまり、歯茎が下がるとむし歯のリスクが高くなるのです。
「歯の根元はむし歯のリスクが3倍!」
歯茎が下がった人はそうでない人に比べて、5年後のむし歯になるリスクが約3倍高いといわれています。
根元の虫歯を防ぐには、まずは歯茎が下がらないように予防する、歯茎が下がってしまっている場合にはフッ素による予防する。
予防はその人、その時の状態で手法が異なります。自分に合った予防を見つけることが大切です。
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2020.05.11
虫歯になりやすい子どもの歯・大人の歯
成長の各ステージにおいて虫歯になりやすいところは変わってきます。例えば、奥歯がまだ生えていない頃は上の前歯が、奥歯が生えてくると奥歯の歯と歯の間、噛み合わせの面が虫歯の好発部位になります。
特に子供の歯は、大人の歯と比較して歯の結晶構造が不安定なので、ひとたび虫歯になってしまうと一気に拡がってしまいます。つまり虫歯の進行スピードが速いということです。
また、生えてきたばかりの大人の歯についても同じことが言えます。生えてきたばかりの大人の歯は、乳歯同様歯の結晶構造が未成熟なので虫歯になりやすいのが特徴です。
6歳頃に生えてくる6歳臼歯は歯の側面の頬面溝と呼ばれる部分が虫歯になりやすく、生えはじめからのケアが大変重要になります。
子どもの虫歯の予防・虫歯の進行抑制は開始時期と定期的に行うことが大切です。生涯自分の歯で健康に過ごせることの素晴らしさを共有できれば幸いです。
むし歯について
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